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産地訪問
2021.05.11産地訪問
元気いっぱい ヒマワリ ”ビンセント”!:静岡県・つじむらさつき園様
オークションルーム後方、展示スペースにて『サカタのタネ』のヒマワリ “ビンセント” の展示が始まりました!
今回は市場に “ビンセント” を出荷頂いている静岡の生産者様、「つじむらさつき園」さんをご紹介いたします。
静岡県:つじむらさつき園さん
仕事が趣味!いきいき花づくり
毎年沢山のヒマワリを出荷頂いているつじむらさつき園さんですが、もともとは盆栽サツキと干しイモがメイン。
夏場の収入として始めた時には種代の回収ができるくらいだったヒマワリの栽培も今年で15年目ほどになり、今では合わせて8反の圃場で花作りをされています。
(*1反は991.736平方メートル、約10a)
「仕事が趣味。楽しくてしょうがない」と語る辻村直彦さんの表情は活き活きとしていて、うらやましくなるほどモチベーションにあふれていました。
綺麗に土地を使われている様子を見た近隣の方から「この土地を使ってくれないか」とお声がかかることもあったのだとか。
“ビンセント”シリーズでは『ポメロ』『タンジェリン』『ネーブル』を生産されています。
左:“ポメロ” 右:“タンジェリン”
“ネーブル”
物語を発信し、人をつなぐSNSの活用法
元は盆栽屋さんだったつじむらさつき園さん。「お茶が飲める木」、語れる木にこそ価値があるのだといいます。
花作りについて発信するために活用されているのが、facebookやinstagramといったSNS。
「生産者が発信すれば、どんな人か見える。」
「ただ単に『花』じゃない。どんなものにも物語があるもの、それをいかに発信するか」
「ヒマワリはいつも辻村さんから買っています」「調べたら辻村さんでした」と面識のないお花屋さんからメッセージが来たり、「ステムがしっかりして大好き!」と感想がいただけたりと、産地さんにとって嬉しい場面もあるのだとか。
「現場にいるだけではどんなお花屋さんが買って、どんな仕立てにしているのか普通にしていたら分からないので嬉しい。」
お花屋さんの投稿をリポストすることでそのお店の宣伝にもなるので、産地とお花屋さんでお互いに応援しあうことができますね。
全国の顔の見えなかった人同士が繋がり、どんな人に・どんな風に作られた花なのか?送り出した先でどんな風に使われているのか?を知ることができるSNSは、対面して直接話しにくい今だからこそ一層活躍するツールです。
ヒマワリは夏だけじゃない!
冬でもヒマワリは作れるの?
春先でも市場に届いている様子を見て「ヒマワリ=夏」とばかり思っていた著者は驚いたのですが、ヒマワリは温度さえあれば、年中花を咲かせることができるのです。
夏以外の花作りでは、
・凍らない程度の温度(5℃)
・季節に合った品種選び
がポイント。
さんさんと日を浴びるイメージのヒマワリですが、意外なことに日照よりも温度が必要で、普通に日が当たればOKなのだそうです。冬は凍らない程度の暖房を入れます。
このように環境を整えてあげることで花を咲かせることができますが、ビンセントは夏にとても大きくなる、ポメロは夏にちょうどいい丈なので冬には適さない…など品種によって育ち方が異なります。また品種によって冬の病気の出にくさも明らかな差があるのだとか。
品種の性質をよく知り、花を作る季節にあったものを選ぶセンスが必要なのですね。
作業場見学
作業場にて、収穫後の仕分け作業の様子を見学させていただきました。
葉を取るなどの下処理後、一人が輪の大きさを揃えます。お一人で作業をすることで輪の大きさが統一できるのです。
結束・ビニールに包まれたお花は横箱に入って市場まで届きます。
15,000本/回と一度に膨大な量を出荷するだけあって、仕分けも箱詰めも想像するだに大きな作業です。
ひまわり畑へGO
いよいよハウスに足を踏み入れると…
ガーデニング好きなら思わず持ち帰りたくなるくらい良い感じのオレンジ色の土と、ヒマワリらしい元気な緑!この土地は水はけのよい土になるよう骨を折ったのだそうです。
2反のハウスに広がるヒマワリ畑をご覧ください。
花が咲いたらどんな景色になるのだろう?と想像するとワクワクしますね。
一年に播く種は150万粒。膨大な量の種ですが、シーダーテープに加工してもらうことで綺麗に株が揃ったヒマワリ畑に育ちます。
*シーダーテープ…水に溶けて自然に優しい素材でできたテープに、均等な感覚で種を挟み込んだもの。
ここは収穫後、残った植物をすき込み、耕す直前の畑です。葉や花に病気が出てしまうと土へのすき込みができなくなってしまうので、回転よく栽培するにはやはり品種選びが大切です。
おまけ:ユーカリの大木
ご近所さんから借り受けた土地に植わっていたという50、60年物のユーカリ。
抱えるほどもある大きな幹から元気に芽を出していました。
ヒマワリ「ビンセント」の特徴
真っすぐ上向き!絵に描いたような可愛いヒマワリ
ヒマワリを好んで描いた画家のゴッホ (Vincent van Gogh)にちなんで命名された“ビンセント” は、子供が絵に描くような丸く可愛い花びらの形と、「上向き」に咲く姿が特徴。
いくつもの挑戦の末に生まれた親しみやすく、元気な花のようすは「希望」「前向き」なヒマワリのイメージそのものです。
また実は、世界で初めて無花粉のF1ヒマワリを作りだしたのがサカタのタネのブリーダーさん。
“ビンセント”も無花粉なので扱いやすく、周りの花材や手が汚れる心配がありません。
ラウンドブーケ・ミニブーケに使いやすい
「上向き」の花は首を曲げて咲く花よりも面がとりやすく、ラウンドのブーケにぴったり!
初心者でも束ねやすく、上から見た時に目が合うので、ご家庭用のグラスブーケの主役としても活躍します。
ビタミンカラーで元気いっぱいに咲くヒマワリ“ビンセント”。引き込みりがちなこのご時世に、お家の中をパッと明るくしてくれそうですね。
生まれたときから元気いっぱい“ビンセント”!
まるで元気いっぱいに育つヒマワリを映したように生き生きとされている辻村さんご夫婦に、取材しているこちらがエネルギーをいただきました!
つじむらさつき園さんの“ビンセント タンジェリン”も展示中ですので、お越しの際はぜひご覧くださいね。
営業企画部
(緊急事態宣言発令前の訪問・取材画像です)