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産地訪問

2022.02.26産地訪問

【#産地訪問+@】春の香りがくるところ:スイートピーとストック編

今回も感染症対策の上、地元愛知県の産地さんを訪問させていただきました。まずはヒット曲のタイトルにもなったあのお花から!

【#産地訪問+@】愛知みなみ花ポート:スイートピー編

スイートピーは大好きな花のひとつですが、どんな株姿で育ってどこから花が生えてくるのか?と言われるとぼやぼや~っとしたイメージしか浮かばない花でした。皆さんはいかがですか?

身近に生えている「カラスノエンドウ」のようなマメ科の花はもっと小さいですし、スイートピーは細長く真っすぐな茎に綺麗に花が並べられて、切花としてかなり洗練された形をしていますよね。いったいどんな風に生えているのでしょう。

今回はそんなスイートピーがいかにして育てられ、一級品の切花として出荷されているのかが分かる取材となりました。お邪魔したのはJA愛知みなみ花ポートセンター所属の出荷者様、全国でもトップの品質を誇る産地です。

スイートピーの栽培では珍しく、温室内にCO2を出す機械を使われていました。バラなどの温室ではよく設置されますね。光合成の材料となる二酸化炭素を多めに与えることで花の成長を促すものですが、スイートピーでも軸が太く、長くなる効果があるのだとか。
冬の花らしく日中寒くても平気なので、暖房を焚かない分、環境面ではこうしたCO2濃度やスイートピーにとって大敵の湿度の管理に重きが置かれます。

温室内にはふわふわの稲わらが敷かれていて、マルチング(=地面を覆い、泥の跳ね返りや温度変化を防ぐこと)と同時に収穫した花を置いておくクッションの役割も果たしています。ぽかぽかと日の光を受けて、なんだか大変のどかな風景です。

担当営業さんが「最初に一番綺麗なところ行っちゃったね」とおっしゃるほど綺麗に誘引され、清潔に整ったハウス。
穴が大きく茎をしっかりキャッチできる専用のピンチで誘引し、茎を留めるネットはスイートピーに影が落ちないよう白色のものを使うというこだわりぶりで、スイートピーがのびのびと、しかし丁寧に眼を配って育てられているのが感じられました。

花をつくるまではもちろん、収穫・選別・梱包にも大変な手間がかけられています。このあたりは動画の方が分かりやすいかもしれませんね。
「いいもの」を作ることに労力を惜しまないのは、トップ産地として花の価格を維持し、引っ張っていくため。一番いい産地が一番いいものを生み出し、一番いい値をつけるからこそ、スイートピー産地全体が価格を保っていけるのです。
ちなみにスイートピーをここまでの長さに仕立てるのは世界的にはなかなか難しいことのようで、日本並みの長さのものはニューヨークでは一本500円で小売されているのだとか。

スイートピー特有のすっきりした甘い香りは、リナロールなどの芳香成分で形作られます。リナロールはアロマオイルだとローズウッドやラベンダーにも含まれていて、特にこころを落ち着ける鎮静作用に優れています。
筆者は玄関に飾っておいて、「ただいま」のタイミングで香るのがお気に入り。「帰って来た~」とほっと嬉しい気持ちになれるのです。

こぼれ話:まさか中の人になるとは

お気づきかと思いますが、取材と動画編集・サムネイル作成はすべてこのブログの筆者(つみき)が担当しています。とはいえ取材も動画編集もデザインも全くのゼロスタート、悪戦苦闘しているうちにブログの更新が滞ってしまいました。いつも楽しみにしてくださっている読者様におかれましては、寂しくさせてしまって申し訳ありません。

お待たせしているからこそ、少しずつ成長していきたいと勉強の日々です。中でもサムネイルは動画を見たいと思ってもらえるかが決まる大事なところ。インパクトのあるデザインを調べつつ、下品な印象にならないよう気をつけながら作っています。
今回はなかなか可愛いサムネイルができましたが、字の見えやすさが今一つかしら?次回もいいサムネを目指して精進したいと思います。

【#産地訪問+@】愛知みなみ花ポート:ストック編

スイートピーの次に訪問させていただいたのは、同じ渥美半島のストックの出荷者様です。お花の印象を映したような、優しくシャイなお人柄。ストックもスイートピーと同じ、香る花・春の花ですね。ガーデニング用の苗としても人気ですが、顔を寄せてじっくり香りを感じられるのは切花ならではかもしれません。

ガーデニングでは冬~春に苗が出回り、もう育って花も咲いているのを買って、暑くなるころには他の花と植え替えてしまうのが一般的です。
そうなると花が咲いている間の姿しか見たことがないので、種を播いて小さな小さな芽を間引きし、定植して育てるという作業が新鮮なものに思えました。どんな切花でも同様の手仕事があるのでしょうが、自分で育てたことのあるお花だと、なおさら切り花として作ることの大変さを想像できる気がします。

「コロナ前に比べ、濃い色も求められるようになったかも」というお話も印象的でした。巣ごもり時間に華やかな色が欲しいという気持ちの表れなのでしょうか。
ストックは白~濃いピンクに紫、黄色やオレンジと寒い季節には嬉しい「春の色」のバリエーションが豊富な花です。切り花としての魅力が、より広く知られるきっかけになるかもしれませんね。

春は香りからやってくる

お部屋に籠りがちな寒い時期に、一足早く春を運んでくれるスイートピーとストック。春が待ち遠しいこの季節だからこそ、香った時の嬉しさがある気がします。「また来年」となる前に、沢山楽しみたいですね。

著:つみき(システム課)