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2023.05.29コラム
これもそれも?バラ科の植物
6月2日が何の日かご存じですか?
6(ロクー)2(ツー)……ローツー……ローズー……
そう!『ローズの日』です!
弊社でもローズの日に向けて様々な品種のバラが集まってきております。
ローズの日に関連する過去の記事はこちら
【ローズの日】バラの世界史①文明の始まりはバラ文化の始まり
【ローズの日】バラの世界史②ベルサイユにはどんなばらが?
【ローズの日】バラの世界史③新しいバラの歴史
【ローズの日】産地紹介動画①
【ローズの日】産地紹介動画②
【ローズの日】産地紹介動画③
【ローズの日】産地紹介動画④
ところでバラの仲間、バラ科の植物にはどんなものがあるかご存じですか?
実は私たちがよく知っている植物はバラ科が多いのです。
バラ科の植物にはどんなものがあるか見てみましょう。
・バラ
言わずもがな、バラですね。
バラと一口に言っても色や形が変わると印象が大きく変わります。
「高芯咲」の横から見たときに真ん中(花の芯)が盛り上がっている咲き方はいかにも「バラらしい」バラですよね。
1本だけで凛とした存在感があります。
最近では横から見たときにティーカップのような形をしている「ティーカップ咲」のバラが人気です。シルエットが丸く他の花と組み合わせても主張が激しくなりすぎないので柔らかい雰囲気のブーケにぴったりです。
・サクラ、ウメ
春の代表的な花ですが、どの辺りがバラと似ているのでしょうか?
ここでバラ科の花の特徴を確認してみましょう。
バラ科の多くは
①放射相称(中心を通る3種類以上の切方をしても左右対称になるものを指す)の花
②花弁と萼が各5枚で萼の基部(根本)が筒状
③雄しべがたくさんあり、雌しべもたくさんあるものが多い
という共通した特徴があります。
でも上で話したようなバラはもっと花弁の枚数が多くてボリュームがあるような……。
ではこちらはどうでしょう。
上の画像はノイバラという私たちが今想像しているバラの原種(品種改良等される前の野生の種)の一つです。
原種にも様々な咲き方のものが存在しますが、その中でも一重咲きのものが多いようです。
これを見るとサクラ、ウメの花とよく似ていますね。
同様にイチゴ、リンゴ、ビワなんかもバラ科に分類されています。
・アーモンド
ポリポリおいしいアーモンド、こちらもなんとバラ科です。
アーモンドの花、すぐに思い浮かびますか?
色も形も枝のつき方もサクラにそっくりです。
サクラと異なる点は、桜よりも柄が短いため枝から直接咲いているように見える点、花弁が大きめという点です。
アーモンドは主にアメリカや南ヨーロッパで栽培されていて、海外でも開花の時期になると日本のサクラのようにお花見をするとかしないとか。
・ワレモコウ
印象ががらりと変わりました。
ワレモコウは他の花と組み合わせても、単体で飾ってもシックで落ち着いた雰囲気を与えます。
この花に見えている部分が萼片であり、花はその先端です。
花……といっても花弁はなく雄しべと雌しべでできています。
萼片の枚数も4枚と一般的なバラ科らしい構造をしていません。
ではなぜバラ科に分類されているのでしょうか?
おまけ 植物の分類って?
現在多くの植物はAPG体系というDNA塩基配列などの遺伝情報で分類されています。
APG体系は系統樹(樹形図)で表され、隣り合っているものから遺伝情報が近く、遠くに配置されればされるほど異なる植物であることがわかります。
これによって昔は外観が似ているからと一緒に分類されていた植物が、遺伝情報を調べたところ遺伝的距離が遠かったという理由で別の科に分類しなおされることもあります。(例:ヒガンバナとユリ)
バラ科に分類されている植物を調べたところ、遺伝的に近い距離に位置にいることがわかりました。
ということは、似た花の構造を持つ植物群がバラ科であり、また外観が似ていなくても遺伝子構造が近いためワレモコウはバラ科であるのです。
生物を分類するとき界・門・綱・目・科・属・種とグループに分けていきます。
「界」の中には複数の「門」のグループがあり、その「門」の中で複数の「網」に分けられて……と細かく組み分けされているのです。
今回はバラ「科」の植物についてお話しましたが、バラ「目」まで視野を広げると私たちのよく知っているブドウもバラの仲間に入ってきます。おもしろいですね。
バラ科の植物がこんなに身近にたくさん存在するなんてビックリですね!
食材の飾り切りに「バラの飾り切り」があります。
(画像はキウイですが……)
テーブルにバラを飾ってバラの形にしたバラ科の果物を食べる……今年のローズの日はこんなバラ祭りをしてみても楽しいのではないでしょうか!
著.もくめ
(https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4746#:~:text=%E3%83%90%E3%83%A9%E7%A7%91%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%AE%E5%85%B1%E9%80%9A,%E3%82%82%E5%85%B1%E9%80%9A%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82 20230516)(https://himenobaraen.jp/roses/species_rose 20230517)