News新着情報

展示

2021.07.16展示

トルコ?キキョウ?ユーストマ??トルコ桔梗の本当の名前とは

周年栽培の獲得と高冷地


(タンポポのロゼット)

スッと花茎を長く伸ばすトルコ桔梗ですが、実は 暑いとロゼット状になる植物 です。ロゼットというのは茎が伸びず葉が地面に沿うように生えている状態のことで、身近なところだと冬のタンポポによく見られます。

写真のようになったタンポポが春になるまで花を咲かせないのと同じように、トルコ桔梗もロゼット状になると花を咲かせてくれません。トルコ桔梗のロゼット化は種から本葉を増やしていくまでの育苗期の高温で起こるため、自然のままだと夏蒔き・秋~冬収穫ができないということになります。

(「トルコ桔梗 ロゼット」と検索していただくと、切花の姿からは想像もつかないトルコ桔梗のロゼットが見られます。)

このことは生産における大きなネックになっていましたが、日本での品種改良が進むとともに夏の冷房や苗の冷却処理、ロゼット打破処理技術が向上し、周年栽培ができるようになっていきました。

まとめ

とはいえ気温の高い夏場はやはり高冷地での栽培が適しているということで、
今回展示させていただいたのも 高冷地である長野県のトルコ桔梗 だったのでした。

トルコ桔梗、ユーストマ、リシアンサス。どの名前も他の品目に比べればまだ歴史の浅い名前ですから、長い目で見れば後々どれか一つが有力になったりするのかもしれません。あなたはどの名前がお好きですか?

営業企画部

参考文献

農研機構 「トルコ桔梗」 ルーラル電子図書館 農業技術事典NAROPEDIA http://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/#box_search=%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3&kensuu=100&sort=0&logic=1&page=0&bunya=&koumoku=13814&db=&uid=0(閲覧日:2021/7/16)
湯本弘子(2009)「トルコギキョウ(Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn.)切り花の品質保持に関する研究」『花き研究所研究報告』9号.91-135.
農研機構「水耕栽培装置を用いたトルコ桔梗立枯病(Fusarium solani)抵抗性簡易検定法マニュアル」(2021)
谷川孝弘、今村仁(2012)「トルコギキョウの吸水種子,発芽後の苗,高温によりロゼット化した苗および登熟中の種子に対する抽だい・開花促進のための低温要求性について」『Agriculture and horticulture 』87巻11号.
1090-1101

花の研究室の記事をもっと見る

1 2 3