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花の研究室
2021.01.15花の研究室
コロナ禍に見る花と色【ビフォア・ウィズコロナ】
再び各自治体で緊急事態宣言が発令されていますね。
新しい年になりましたが、「ウィズコロナ」はもうしばらく続きそうです。
さて、外出自粛やリモートワークの推進を受けて「おうち時間を充実させよう!」
と新しい家具を購入された方も多いのではないでしょうか。
日経デザイン 2020年12月号の特集 『共感を呼ぶ色、売れる色』 によると
コロナ禍において、ネイビーや黒・白といった無難な色が選ばれがちな
家具や壁紙の売れ筋カラーに変化がみられたとのこと。
お家時間が増えたことで、個性のある黄や癒しを感じさせる色が選ばれているようです。
定期便やガーデニングなど、花もコロナ渦でお家需要が注目されていましたね。
花においても、お家需要で売れ筋カラーに変化があったとすると・・・
こんな風に予想ができるでしょうか。
それでは、弊社の市況データからビフォアコロナの2019年と、
ウィズコロナの2020年の花色を比較して見てみましょう!
7つの品目について、色別に集計してみました。
バラ、カーネーションについてはスタンダードとスプレーを合わせ、
スターチスはハイブリッドスターチスも含めています。
(以下、金額・数量の詳細な数値は伏せます)
花色の分布に大きな変化はなく、全体として減っているように見えますね。
今回使用しているのはあくまで市場での売上金額・数量なので、消費者の嗜好を反映しにくいということかもしれません。
(棒の長さで比べると少しの変化に思えますが、実際の数字では大変大きな差になっていることをご承知おきください。)
売上金額を折れ線にしてみると、こんな感じです。
3~5月の山が目に見えて小さくなっているのがわかりますね。
また割合にしたものと、年度で比較したものがこちら。
(y軸の単位が2つあります。上下関係は気にしないでください)
予想① ビタミンカラーの黄色やオレンジの需要が上がる については外れていたようです。
予想② については確かに白い花の売上は減っていますね。
また、他の色が金額、数量ともに低下する中で紫色は昨年比を保ち、割合としては多くなっています。
予想③は当たらずとも遠からずといったところでしょうか。
それぞれの品目でも見てみましょう。
バラ
3~5月は前年に比べるとやはり落ち込みますが、
2020年の12月、赤色は前年辺りまで復活。クリスマスの赤バラ需要はビフォアコロナ同様にあったかと思われます。
カーネーション
5月を見てみると、どちらかといえばマイナーな花色の黄・緑・紫色にも小さな山が。
母の日の赤やピンクのカーネーションにつられてのことかもしれませんね。
アルストロメリア
3,4月の入学卒業シーズンにピンク・オレンジ・白・黄色のアルストロメリアに影響が。
紫色についてはさほど影響がないようにみえます。
トルコ桔梗
全体に夏~秋に持ち直しているようにみえますが、前年に比べると白の売上数量が伸びどまっているのが目立ちます。
婚礼の需要が影響しているのでしょうか?
ダリア
ダリアについては、特に赤色で山の大きさに変化がありました。
赤のダリアは婚礼はじめ華やかな席に使われやすい花ですね。
ガーベラ
ガーベラはピンクとオレンジがだいたい同じグラフの形になっていました。
全体に、赤や白などベーシックな色は数値を落とし、紫や緑といった個性的な色は需要をキープしたという印象でした。
特に黄やオレンジのビタミンカラーが増えたというわけではなさそうですね。
花は家具などに比べてもともと特別感があり、
個性が発揮されるものであるため、一般消費の嗜好には大きな変化がなかったのかもしれません。
これから昨年と同じような春になってしまうか、ビフォアコロナに向かっていけるかは神のみぞ知るですが、
今回ご紹介したデータは今年の春に向けての参考になるかもしれません。
ぜひご自身でも考察して、作戦を練ってみてくださいね。
営業企画部