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花の研究室

2021.01.23花の研究室

【#花は自由なラブレター】あなたもつけれる(!?)花言葉

 

そろそろ卒業・入学のギフト探しが始まる頃ですね。

『門出』の花言葉を持つスイートピーはちょうど時期もぴったりですし、

『常に前進』のガーベラは1本でも映える贈り物です。

 

こんな風に、花選びや店頭でのPRに何かと使うことが多い花言葉。

ネット上には花言葉を紹介するサイトが数多あり、大抵の花は花言葉を知ることができますが…

 

「このサイトとこのサイト、言ってることが違うぞ?」

「つぼみ、色、品種、細かくつけられすぎてめんどくさい!」

 

なんてこともありますよね。

 

そもそも、花言葉って誰が決めたものなのでしょうか?

 

 

 

花言葉のルーツはどこに

 

 

花言葉の起源と言われているのは、アラビア地方の「セラム(selam)」という古い風習。

贈りたい言葉と似た名前の花をプレゼントすることで、

間接的にメッセージを伝えるというものだったようです。

 

セラムで意味がつけられた物は花だけではなく

袋の中にチューリップと真珠と石鹸が一緒に入っている、なんてこともあったとか。

 

   

 

イギリスにこの風習が伝わったのは18世紀、

大使夫人としてトルコに住んでいたレディ・メアリー・ワートリー・モンタギューさんが

この「トルコ人の恋文」を文通していた母国の友人に紹介しました。

 

これがヨーロッパに花言葉を伝えた最初の記録だといわれており、

イギリスの貴族たちは花の贈りあいっこをおおいに楽しんだようです。

 

 

ヨーロッパで花言葉ブーム

 

花言葉に関するまとまった本は、19世紀はじめにパリをはじめとするフランスの都市で現れました。

1819年、 マダム・シャルロット・ド・ラトゥール(本名ルイーズ・コルタンベール)が

『Le Langage des fleurs (花言葉)』を出版。

 

橙色の花は希望のしるし、ヒマワリは不変、バラは美…

植物の外見や特質、または聖書や文化史を反映させた花言葉が紹介されました。

 

とげと葉がついたバラの蕾は『私は恐れているが、希望をもっている』など

見た目の種類も文化的な背景も豊かなバラについては、特に詳細に書かれています。

この本はフランスを始め、ヨーロッパ中で大変な人気になりました。

 

   

 

 

そして、ラトゥールの花言葉の本は1834年、アメリカの本屋さんに並びます。

海を越えても人々の反響は強かったようで、同じ花言葉をテーマにした本が後に続けと次々出版されました。

安価な印刷技術の導入も、花言葉の普及に一役買っていたと思われます。

 

 

そして、日本へ

 

ヨーロッパで大人気となった花言葉の文化は、明治初期、西洋文明とともに日本にやってきました。

 

詩人の与謝野晶子と江南文三は明治43年、西洋の花言葉を1冊の本にまとめた『花』という本を出版しています。

 

 

「この本は著者の実見したことのある草木の中から、よく書物などに出るやつを百ばかり選んで、

その草木に関する洒落、神話、悪口、伝説、その草木の表す意味、その草木の異名、

その草木に関することわざ、故事、熟語等をかき集めたものだ」

 

 

 

古い文献ですが、国立国会図書館デジタルコレクションで全ページ読むことができますよ。

 

→「花」を読んでみる🌸

 

 

紫陽花 …「随分冷淡だわね」という意味の花だ。

 

オランダイチゴ …木は尊敬、愛、花は先見を表はす。ストロオベリイと言ふのはさすらいいちごと言ふことだ。

 

ここでもバラの花言葉は詳細に書かれていて、

まだいろいろある。飽きたからゆるゆる話の中に交ぜて書こう

 

なんておっしゃっています。

 

 

 

 

花言葉にルールはない

 

日本人になじみの深い桜の花言葉は、

ネットで調べると「精神美」「優美な女性」「純潔」などが花言葉として出てきます。

 

しかし、先ほどの『花』で桜を調べると…

白は教育あること、詐欺を表はす。

 

がらりと印象が変わってしまいましたね。

 

 

この本を見ても分かるように、花言葉は時代と共に失われたり、変わったりします

 

言葉の由来も、古い伝承や神話を基にするもの・見た目の印象・似ている言葉

などと様々で、解釈をする人の国や宗教によっても変わります。

 

例えば西洋圏では黄色=ユダの裏切りの色なので

黄色の花は、日本人にとっては意外なほどネガティブな花言葉がつきがちです。

(黄色のバラ=「愛情の薄らぎ」「嫉妬」など)

 

   

      (嫉妬のイメージ)

 

 

また、花に意味を持たせるという文化は花言葉に限ったことではなく、

日本では文に花枝をつけたり、ギリシャでは月桂樹を栄光のしるしとしたりと

古代から世界中で行われているものです。

花言葉はそうした習慣の一部であり、今でも変わり続けたり、地域差が出たりしているのですね。

 

 

つまりは今、自分で新しい意味をつけても何にも問題はないのです。

 

 

自由に花言葉を楽しもう

 

花の中には、スカビオサの「私はすべてを失った」「不幸な恋」のように

ネガティブな花言葉を持つものも多くありますよね。

 

花言葉にこだわって選ぶのは素敵なことですが、それにとらわれすぎて

見た目が気に入った花や、その季節で一番綺麗な花を使えないのも悲しいです。

 

 

花言葉は変わるもの、自由なもの。自分なりの花言葉をつけてみてもいいと思います。

野草ですが、コメツブツメクサという花には「ご飯を食べましょう」という花言葉があります。

これを知ると、「なにそれ、なんでもありだな」と思いませんか?

 

 

 

(コメツブツメクサ)

 

 

花から受け取る解釈はあなた次第、だからこそまずは花自身をみて

素直な印象で選ぶのがよいのではないでしょうか。

 

 

**********

 

 

一般的な花言葉から選ぶにしても自分でつけるにしても、

なかなか面と向かって言えない言葉を花に託すのは素敵なことですね。

 

もうすぐ愛妻の日・バレンタインデー・ホワイトデーと花贈りのイベントがやってきます。

とっておきの花と言葉で、想いを伝えてみてはいかがでしょうか。

 

 

営業企画部

 

 

参考文献

「感じる花 薬効・芸術・ダーウィンの庭」著:スティーブン・バックマン

「花」江南文三、与謝野晶子 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902043

「英文学に現れたる花の研究」石川林四郎 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/943290

wikiwand 花言葉 https://www.wikiwand.com/ja/%E8%8A%B1%E8%A8%80%E8%91%89#