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花の研究室
2020.08.14花の研究室
【#ビタミンF】観葉植物とリモートワークの科学
コロナ下で急速に進んだリモートワーク・リモート学習。
未だに大学に通えずフルリモートで勉強しているという学生さんもおいでだと聞きます。
そこで今回は、増えたお家ワークを過ごしやすくしてくれる、観葉植物の効果をご紹介します!
①心理的効果 (ストレス、疲労感の軽減・リラックス効果)
国内外の様々な研究で、オフィス内の植物は従業員の疲労感や不安、ストレスを軽減することが明らかにされています。
挙げていくときりがないほどです。
さらには医療現場において、窓から緑が見えたり観葉植物のある病室では患者さんのストレスや不安が和らぐだけでなく
鎮痛剤の要求頻度が減るなど、緑が心身の痛みを和らげる可能性を示したものも。
これだけでも、一人で机について黙々と過ごす時間のお供には心強いですね。
*「緑」という色自体にも癒し効果があるといわれているので
イミテーションでもいいかも?と思うのですが、
本物の植物・偽物の植物・緑の写真を設置した場合の環境への評価を調査した研究では
偽物の緑がある場所の評価は写真がある場所よりも低くなり、とくに女性が偽物を好みませんでした。
観葉植物を置いた実験の調査で、ストレスの自覚症状の訴え率が女性の方が高かったり
女性の方が身近な植物の数を多く報告したという実験結果もあるので、
過ごす環境、緑化について女性は特に敏感なのかもしれません。
女性と仕事や居住スペースを共有している場合は、イミテーションの観葉植物は避けてあげるとよさそうですね。
②生産性UP (創造的な作業の効率UP)
作業の内容や植物の数など、条件により実験での植物の効果はまちまちなのですが、
仕事の中でもアイデアづくりや問題解決など、創造的な作業の効率が上がるという結果は多くの研究で共通しているようです。
例えばテキサスA&M大学の実験では、
参加者は男女問わず、植物や花のある職場の方が彫刻のある部屋や何もない部屋よりも
より多くのアイデアや解決策を生み出しました。柔軟性や斬新さもアップしたそうです。
企画のアイデア作りやレポートの組み立てがはかどりそう!
③目の疲れを癒す(PC作業による眼精疲労の緩和)
1989年、1995年と少し前の研究ではありますが、
・ VDT作業(パソコン作業)をした後に鉢物の緑や遠景の樹林、屋上の芝生などの緑を見せたところ
参加者の眼精疲労が緩和した
・パソコン作業中に植物を見ることで視覚疲労からの回復が促された
という報告があります。
リモートワークの主な作業はパソコンでのデスクワークですから、これは嬉しいですね。
*注:空気清浄効果について*
観葉植物による空気清浄効果についてはNASAの発表が良く取り上げられていますし、
他の研究でも発見されているのですが、これらはあくまで小さな実験箱の中での結果。
後発の研究で観葉植物による部屋の空気清浄はあまり現実的でないことが示されています。
(かなり多くの密度で置かねばならない。)
さらに緑視率(=視界に見える観葉植物の数)の最適値は10~15%といわれ、
それより高いと生産性や環境への満足度がむしろ低下してしまうそうです。。
空気清浄効果はあまり期待せずに、適度な量の植物を置いてストレス緩和や疲労回復効果を狙いましょう!
自宅なら気軽に緑を増やすことができますし、小さなものをデスクに置くだけでも疲労感が軽減されるとの研究もあります。
ホームセンターや100均で手に入る、小さな観葉植物を作業机に置くところからでもOK。
ぜひ観葉植物を取り入れてみてくださいね!
営業企画部
参考・引用文献
室内の植物が人間の心身に及ぼす影響に関わる研究の現状と今後の課題(narrative review)
観葉植物, イミテーションプランツ, 写真の違いが人間の心理に及ぼすアメニティ効果の解析
観葉植物のグリーンアメニティ効果の実証と室内環境デザインへの応用 研究成果報告書
Psychological Benefits of Indoor Plants in Workplaces: Putting Experimental Results into Context
テキサスA&M大学 花と観葉植物はイノベーションとアイデア創出を促進する
The Relative Benefits of Green Versus Lean Office Space: Three Field Experiments
室内等の緑によるVDT作業がもたらす視覚疲労の回復効果に関する実験的研究
Interior Landscape Plants for Indoor Air Pollution Abatement