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2018.02.01ブログ
『市の機能』
現在卸売市場法の改正の話が俎上に上がっています。今回の改正の精神は中抜きをしたかった、です。その昔より、流通中抜きの話は常に上がっているといえます。一番有名なのは、スーパーマーケットが出現し始めた昭和30年代に出た、問屋無用論です。
しかし、現在も市場を含めた問屋は存在していますし、現実に日本の生鮮食料品の物流の根本を支えています。スーパーマーケット自体が、卸売市場、問屋を利用しているのですから。
この中抜きの話は、アメリカの流通から来ていると考えてよいと思います。昔流行った映画で西部劇がありますが、そこに「シアーズローバック」という会社が出ていました。その会社は、幌馬車に注文品を積んで、西部の家々を回って、商品を送り届けていました。その当時より問屋はアメリカにはありませんでした。問屋の機能を兼ね備える程、力のある企業が小売業をやるのがアメリカ。今でもアマゾンとしっかり競争しています。
一方日本では、信長が始めた楽市楽座があり、市で仕入をする、買い物をするという習慣があります。今でもお寺の境内で毎月決まった日に市が開かれているところが随所であります。市で問屋で物を仕入、それを小規模店舗で販売するのが日本流。市場や、問屋がなくなったら、大手の小売業が問屋機能を持った物流センターを自前で作り、物を荷捌きすることとなるのでしょう。そうすれば、中小の小売屋はここから弾き飛ばされ、淘汰されてしまいます。こういったことにならないように、卸売市場法の改正内容に注視しましょう。