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2020/10/27
岐阜大学・園芸学研究室訪問【花開くまで】

 

先日、岐阜大学 応用生物科学部 生産環境科学課程 の園芸学研究室を訪問させていただきました!

 

こちらの研究室では地元岐阜県の生産物であるバラを中心に園芸植物の研究をされており、

生産や消費の場、比較的「現場」に近いテーマを扱われています。

 

学生さんたちが取り組まれている研究の紹介をいただきましたので、なるべくかみ砕いてちらっとご紹介しますね。

 

 

 

 

 

 

クリスマスローズの耐病性 ・・・日本の園芸種について、ある疫病菌に強い品種・弱い品種を調べる。

 

クリスマスローズの栽培種は2000種以上あるといわれますが、その中でも日本で育種されているポピュラーな園芸種について

調査されているそうなので、特に身近なテーマですね。
 

 

 

バラ根腐れ病の耐病性台木の選抜 ・・・バラ台木で、バラ根腐れ病にかかりやすい・かかりにくい品種を調べる。

 

バラは切花用・園芸用に関わらず、ノイバラや改良種など、より強健な木に接ぎ木をされています。

根腐れ病は切花の栽培(ロックウール栽培と呼ばれる養液栽培)で発生し、
一か所で発生すると菌が水の中を泳いで拡散、全体がダメになってしまう可能性のある恐い病気です。
 
そのため、この病気に強い台木が必要とされているのです。(根腐れ病菌について詳しくはこちらへ

 

 

 
ガーデニングでも切り花の栽培でも、耐病性は重要なポイントです。
耐病性の高い品種が明らかになれば、品種ごとにあらかじめ病気の対策が可能になったり、交配の際に参考になるかもしれませんね。

 

 

 

花弁細胞の肥大のメカニズム ・・・開花のコントロール、観賞期間の延長をめざす

 

突然ですが、お花がどのように咲くのか、小さな蕾が大きくなるのか、ご存知ですか?

 

 (”ピエール・ドゥ・ロンサール” が咲く様子)

 

 

お花は花びらから、さらに花びらは数多の細胞から形作られており、

細胞が大きくなることで大きく咲き進んでいきます。

そして細胞は糖分を内部に貯めこみ、細胞内外の浸透圧の差(濃度の差)によって水を引き込むことによって大きくなります。

 

 

 

 

さらにこの糖は葉から花に移動してやってきたもので、花びらに含まれる「糖代謝酵素」と呼ばれる

酵素の働きによってこの動きが促されているといわれています。

「糖代謝酵素」は木から切り離してしまった切花では働きが弱くなるようで、

そのために木についたままのお花よりも小さく咲いたり、最後まで咲ききらなかったりするのです。

 

 

 

 

つまりはこの「糖代謝酵素」の働きをよくしたり、コントロールすることができれば、

花をより長く・大きく咲かせることができるかもしれないのです。

学生さんたちは様々な条件におけるこの「糖代謝酵素」の働きと開花の関係に着目して研究を進められています。

 

より長く、綺麗なお花を楽しみたい!というのは消費者さんに特に求められていることですから、

これも気になるテーマですね。

 

 

 

マリーゴールドによる環境浄化 ・・・景観を守りながら土壌を浄化する

 

 

土壌に含まれるカドミウムなどの有害な物質を、シダなどの植物に吸収してもらうことでその土地から取り去る

「ファイトレメディエーション」という方法があります。

また米食の盛んな日本では特に、水田に存在するカドミウムが問題視されています。

 

マリーゴールドはカドミウムを効率よく吸収するといわれているので

もし休耕田にマリーゴールドを植えれば、眺めを美しくしつつ田んぼを綺麗にできるかもしれないというわけです。

 

 

他にもバラの房咲きの性質を決める遺伝子について、バラのウイルス病についてなど、

さらなる調査の基礎となることを明らかにするための研究も行われているそうですよ。

 

 

研究発表の後は愛知県弥富市 ベルばら園さんの「食べるバラ」の花びらとジャムの試食もしていただきつつ、

お花談議に花を咲かせました。

「バラを食べるのは初めて」「おしゃれ」「品種で味は違うのかな?」とむしゃむしゃ花びらを食べる皆さん。

 

(*消毒・マスクの着用・お部屋の換気を行いました)

 

 

 

一つの花がいくつもの細胞から形作られているように、確かな事実や実際に使える技術を発見するには

いくつもの研究と実験が必要になり、そして何人もの研究者さんが関わっています。

 

特に自然相手だと実験結果が予期しないものになったり、気候に左右されたりと不安定になりがちで、

私たちが思うよりもまだまだ分からないことだらけ。

実験や研究は「結果出ず」も貴重なデータの一つなのです。

とかく「使えること」を科学に求めがちですが、焦らずに応援していきたいですね。

 

 

 

 

しかし、だからこそ基礎研究や学生さんたちの行われている研究は

一つ一つが英知を形作るとても価値のある知見で、最先端の面白いもの!

少しずつ花開いていくさまを、このブログでも引き続きお伝えしていけたらなあと思います。

 

最後になりますが、岐阜大学 園芸学研究室のみなさま、ありがとうございました!

 

 

営業企画部

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