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2018.05.05ブログ

『底面吸水の問題点』

 現在、鉢の生産において底面吸水が幅を利かせています。これは、生産上水やり(液肥を含む)が簡便で労力削減になるからです。しかし、元来根っ子は水を求めて伸長する性質を持っています。古くから、「乾いたらしっかり」が水やりの基本と言われていますが、これは、根っ子が水を求めて伸びる時間を作ってあげていると考えられます。ところが底面吸水ですと、常時根っ子の先端には水分がある状態ですので、根っ子を伸ばす必要がない。また、常時水があることを前提に生きているので、万が一水が切れた場合の対処方法を準備していません。

 従って、水が切れた場合は、ほぼそれでその植物の命は終わったも同然となってしまいます。以前(10数年前)NHKの趣味の園芸で、ある有名な先生が、底面吸水の鉢物を買った場合、たまには上から水をやりましょう、と話していました。

 これには二つの効果があると考えられます。一つは、新しい水を一杯やることにより、水面が下がっていくと同時にその上から新しい空気が土の中に入ってきて、土中の空気の入れ替えができること。二つ目は、こちらにも水があるよと根っ子に教えて、新しい根っ子を伸ばさせること。従って、長持ちさせるためには、たとえ底面吸水鉢であっても上から水をやるようにした方が良いと言えます。一度試してみてください。